「奇特なる本島人」?
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•台湾歴史博物館 提供 •台湾歴史博物館 提供

台湾の漢民族は、日本統治時代の文献では「土人」や「本島人」と呼ばれており、言葉としては主に台湾語や客家語を話していた。その中には、すでに漢化されていた平埔族の人々もいた。台湾と日本は同じように漢字文化圏に属するため、日本人は筆談で漢民族とコミュニケーションができた。しかし日本人は台湾の風習との違いに驚嘆し、『台湾日日新報』には度々「奇特なる本島人」というタイトルの記事が掲載された。海を渡って台湾にやってきた漢文詩人も、台湾の人々の風習をテーマに詩を詠っていた。そのほかには、台湾の婦人がお風呂を嫌っていることを面白がって詳しく記事を書いたり、小説でも様々な登場人物をとおして台湾人を描写していた。各テクストは台湾の漢民族社会における男女間の礼儀作法や、日本人とは異なる生活習慣など様々なテーマで描かれていた。