暗闇の中での色とりどりの輝き
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•林文哲家族 提供 •林文哲家族 提供

1895年6月17日、台湾総督府は台北で始政式を開催し、台湾人は日常生活から言語教育まで、日本側によって改めて近代化され、過去の伝統や親しんでいた物事とは決別した。台湾人は時代の狭間において、その変化を迎え、抵抗し、受け入れ、そして変らざるを得なかった。

1918年、アメリカ大統領ウィルソンが十四か条の平和原則を発表し、「民族自決」を唱えると、アジアを含む世界各地の民族も、これまでなかった新しい局面に直面した。この時期の台湾は「植民地近代化」の時期にあたり、西洋近代の新しい思潮が新青年を育てた。彼らは現実の社会で冷遇されたため「台湾人意識」が芽生えたのだった。自由民主主義、文学思潮下の日本知識人たちもまた、人道主義の志を持ち、帝国主義のもとで台日の共同創作をとおして接触し、時代の暗闇の中で色とりどりの輝きを放った。

本エリアでは「同文異族、生活の再構築」をテーマに、台湾人が時代を乗り越えていく物語を紹介する。「西洋の墨汁を一滴飲んで、世界へのドアを叩く」という言葉のように、台湾の知識人たちは「われらは開拓者であり、鈍い奴隷などではない」と自負し、植民されても自分なりの個性と姿勢を持っているべきだと主張した。彼らが如何にして、文学的素養の養成や思想の邁進によって統治下の暗闇を乗り越えたかを見てみよう。